厨房設計・レイアウトで注意すべきポイント
厨房設計をするときに大切なことが何点かあります。また、その優先順位の考え方も重要です。
まず最初にメニューと席数を決める
厨房を設計するときに大切なのはメニューと席数です。
メニューと席数が分かれば厨房機器は大体決まります。
ですから、厨房設計初期の段階から、営業時に提供する大まかなメニュー構成を決めておくことが必要です。
次に、ゾーニング
メニューと席数が決まったら、次にゾーニングを考えます。
ゾーニングとはエリアごとに大きく分けて
- 保管
- 調理(下処理)
- 盛り付け
- 下膳
- ドリンク類
の5つにゾーニングして考えます。
そして、必要な加熱機器を書き出してみましょう。
そうすると、ガス台がいくつ必要なのか、ガス管の引き方をどうするかなどが決まってきます。
また、料理を提供するまでの食材や人の流れを考えて設計する必要もあります。
厨房の中での人の動きは、動線がとても大切です。
無駄な動きが多いと、料理人の疲労が蓄積していきます。
業態別ポイント
では、それぞれの業態でどんなポイントに注意をしながらレイアウトを決めたらよいのでしょうか。
中華料理の場合
中華料理であるなら、中華レンジを多用します。
中華鍋を使うために強い火力が必要ですし、鍋を振る音がとても大きくなります。
蒸し器もよく使われますので、中華レンジ周りは非常に高温になります。
音と熱のことを考えると、客席から一番遠い壁際に加熱機器を並べると良いかもしれません。
しかし、鍋を振る姿は中華の花形です。魅力的な演出を出すにはカウンターの目の前もよいかもしれませんね。
洋食店の場合
洋食店の場合は、加熱調理に加えて、盛り付けや、受渡し用テーブルをきちんと設置する必要があります。
ですから、振り向き作業よりも横方向の動きがどうしても多くなります。
そのために、複数の料理人が同時に作業をしたり、移動をしたりできるように通路幅を大きめにすることができるでしょう。
定食屋の場合
定食屋の場合はどうでしょうか。
ランチの時間が一番忙しくなることでしょう。いくつものメニューを短時間で提供しなくてはいけません。オーダーがはいってから最小限の加熱調理だけで料理を提供するために、事前に仕込みをした食材がいくつもあります。
それらをたくさん保存し、取り出しやすいコールドテーブル冷蔵庫や縦型冷蔵ショーケース(ガラス扉の冷蔵庫)はとても便利です。また、多くのメニューを同時に調理しますから、加熱調理機器は最低3口以上のコンロが必要になります。
このように厨房設計は各業態によって注意すべきポイントが変わってきますので、事前にお店で提供するメニューを決めてから、レイアウトを考えていきましょう。
その他レイアウト注意点
以下の点もぜひ考慮することをお勧めします。
・調理機器の左に一槽シンク
・調理スペースと盛り付けスペースが同面積でかつ平行
・盛り付け近くに調理スペースと洗い場
・洗い場近くに収納スペース
・デシャップ近くに盛り付けスペース
・調理スペース近くに保存用冷蔵庫
設置に関してはぜひこちらの記事も参考にしてください。